2004年02月01日

「妄想代理人」試写会

「妄想代理人」前夜祭完成披露試写会
 今 敏監督のアニメは個人的に数少ない、きちんと観ておきたい作品なのである。ということで、応募して当選して行ってきた。
 正直言うと、「パーフェクトブルー」の頃はまだよく意図が掴めない部分もあったのだけれど、「千年女優」を観て、やはりこれはアニメでないとできない表現なんだな、と感じた。
 確か、対談でもインタビュアの方が触れられていたと思うが、中期の筒井長編なんかが好きな人にはツボかもしれない。ていうか俺はそうです。

 感想。オープニングから脳に障りそうな笑顔に棒立ちの人々。主題歌である平沢氏のあっけらんとした毒気を含んだ、暗黒面と妙なポジティブさ全開の歌詞とも実にマッチしていた。
 TVシリーズらしく、謎が散りばめられた続きの待ち遠しくなる構成でもある。監督曰く、初の電波系アニメだそうで、どこへ着地するんだろうか、展開が気になります。DVDも買いますよ。

 平沢系の話。オープニングでは、街の遠景とキノコ雲をバックに電波塔の上で笑う人というインパクトの強いカットがあり、今監督は歌詞にキノコの雲と書かれてあるのを受け、これを描いたと仰っていた。
 そういえば平沢氏は「RIDE THE BLUE LIMBO」のプロモビデオの時にも、「遠景にキノコ雲」のプロットを出されている。3DCGで再現するには時間的な余裕が無く、これは実現しなかったのだが、よほどのこだわりがあると思われ、なんかそういうの「見えちゃった」んだろうかなあ。単に真夏の積乱雲の比喩のような気もするけれど。

 劇中ではトリッキーな技法も随所に盛り込まれているが、人物や背景が歪むシーンに、平沢氏は「いいですねえ」とお気に入りのご様子。歪み系が好みなのだろうか。河口洋一郎氏のCGとかお好きだそうですし。
 好きというより、もっと深層意識に起因する何かのような気がするのは音楽産業廃棄物の半生記を読んで思う事。

 試写会終わって控室にご挨拶に行きたかったが、関係者サイドに見知った人が見当たらなかったので、そのまま直帰。

追記:BBSのほうで高橋氏から雑誌『アニメージュ』に今監督と筒井康隆の対談記事があるとの情報をいただき、購入してまいりました。買うの15年ぶりくらいなので恥ずかしかったよ。対談の内容自体は面白かったんだけど、その他の萌えと腐女子系のアイテム率の高さが時代性。

 それから再販の「海帰線」も購入。連載時にも読んでいたものの、あらためて再読すると完成度の高さに驚かされます。
 正統派のSFで、絵の巧みさや構図の説得力については言うまでもないですが、ある意味淡々とした物語をクライマックスへ繋げてゆく構成力が秀逸。

 この連載読んでた頃の自分は、北千住の頭悪い高校に通っていて…というかあんまり通ってなかったという余計な事を思い出してちょっぴり鬱にw