平沢進 INTERACTIVE LIVE SHOW 2006"LIVE 白虎野"終了

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 「こんな姿に改造されたせいで観客もドン引き也。どうせならもっとカッコ良くしてくれ也」
とりあえず両腕にドリルとか?股間からミサイルとか。

 平沢進"LIVE 白虎野"お蔭様でなんとか全公演を無事に終了しました。まずは映像制作スタッフとしてご協力くださった皆様のお名前と担当パートを上げつつ、お礼などを。(敬称略)

岩下達朗
・リアルタイム系VJ、および現場映像サポート関連

MANBO
・"分岐モジュール"(歓声メータ)デザイン、モデル、モーション作成

夕凪 洋
・"分岐モジュール"(歓声メータ)コンテ、合成編集
・"AURORA""SOLAR RAY2" 楽曲映像

中川悠京
・"白虎"イラストレーション
・他、アイデアスケッチ数種

タナカウサギ、Jun Inoue
・"Σ星のシダ"CG作成、楽曲映像

そして"記憶から来た男"に、お馴染みのtwenty2productが海外からゲスト参加。

その他の制作作業と嘆願、スタッフ激励賞賛担当が大和久。

 今回のライブ映像において、今までと変化した部分の一つは、岩下さんによる"リアルタイムに演奏する"映像でした。
 以前までのインタラクティブ・ライブにおける映像は、概ね流しっぱなしか、または予め楽曲の展開に沿って編集済みの動画を合わせる方式を取っていましたが、今回は半数程の曲が岩下さんのリアルタイムプレイによるもの。諸々独自の制約が多い進行の中にありながらも、躍動感溢れる映像を創り出してくださいました。敬服&感謝です。

 歓声メータとして機能する"分岐モジュール"については、物語内での存在感とインターフェイスとしての判りやすさを両立させつつ、いかにもヒラサワ世界らしいデザインを実現させるという、ある意味ハードルの高い難関でしたが、担当のMANBOさんが見事クリア。夕凪さんのコンテも相まって、面白いシーンに仕上がりました。なお、夕凪さんは冒頭の"AURORA"と"SOLAR RAY2"の映像も担当されています。

 "白虎"の映像は個人的に好きなパートです。中川さんの絵を元に、私が動画加工・編集をしています。原画の魅力を消さぬよう、殆ど味付け程度の加工ですが。
 曲ラストの"虎と娘"については主に自分の趣味なんですけどね。今までの平沢作品に無いシチュエーションなので、打ち合わせでも議論された部分です。(というか、中川さんは止めておこうと仰っていましたが)しかしやはりラストはあの絵でないとうまく終わらないという独断により。
 中川さんはこの他にも、CG造形のアイデア等でお力添えくださいました。諸般の都合で使われなかった部分も多いんですが、機会あれば何処かで活かしたいところです。

 "Σ星のシダ"はタナカさんに丸ごとお任せしましたが、上がってきた映像が想像以上に恰好良くて驚きました(笑)
 物語の上でも重要なポイントになるパートだった為、ここでのリアリティとヴォリュームにはかなり助けられた形です。サビ部分のツボを押さえた構成も流石でした。

 "記憶から来た男"のtwenty2productは、前作を上回るクオリティのモーショングラフィックが美しい限り。ただ今回は映像内で歌っている平沢氏の口元と、会場での音楽とをリップリンクさせるのが難しく、所謂「音ズレ」状態になった箇所があり、その点は申し訳ありませんでした。

 皆様の御蔭で、映像演出としてはとても良い結果を得られたと思っております、ありがとうございました。

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 というわけで、ここから与太話です。あくまで個人的な内容でして、特に纏めもせず終わりますが悪しからずご了承ください。
 今回ちょっとバランス悪いなと感じたのは、やはり制作期間が充分でない所為でもあるのだけれど、ライブとしては情報過多だし、物語を楽しませるにしても、ブラッシュアップが足りないかなという点だったり。
 尤もそんな事は平沢氏ご本人が一番判っているのだとは思いますが。恐らく今の平沢氏の構想を上手く実現するには、1年くらいのプロジェクトで、実制作に半年はかけないと追いつかないんじゃないか。諸費用の採算取れなそうですけど。
 映像的には今回のクオリティ程度でも既に赤字なんですけどね。前回と同予算で手カズだけは増えているので......色々大変なのはお察しください(笑)
 映像スタッフの皆さんも平沢氏の仕事だからという事で引き受けてくださっているわけで、一般的に相場とされる報酬額をお支払いしたら予算が今の倍以上かかってしまいます。
 そりゃ観客の立場で言えば7千円以上も払ってんだからそこそこの物は出せよと、俺が客の立場でもそう思うだろうけど、その...動員(略)

 まあ自分の担当分について細かい事を言い出せば、CGの質感~モーション~カメラワークや繋ぎ等、全然出来ていませんけど。そもそもカットの数が足りないし、普段の他所の仕事だったらダメ出しするor出されるレベルですが。ただこれって突き詰めていっても上限にキリが無いというか、そこまでする必要があるのか?というか......いっそ逆にもう素ポリゴンやワイヤフレームのCGでも良くね? 

 実は今回、平沢氏の構想の初期段階ではストーリー無しで過程を楽しむ感じにできないか?という話もありました。最終的には物語形式に落ち着いたようですけど、ただ今回のシナリオを読んでみて、前作、前々作あたりのような、皆で一丸となって目的を達成するぞ!というノリでもないかな、という気はしました。それゆえ偶然に成功ルートにいってしまう事もあったわけで。

余談1:
・ライブ後のオフ会にて、もう少しユルく楽しめる企画はどうですかねえ、という話題で上がったネタが面白かった。バンドメンバーを探すインタラ。進行に応じてサポートメンバーが増えたり減ったりするという。
「生ドラマーが仲間になった」「観客のテンションが上がった」
「TAINACOが仲間になった」「観客のテンションが下がった」
「縦笛を手に入れた」「それじゃない」
「ヒラサワは3曲分のエネルギーを手に入れた」「アンコールが可能になった」
 サポートメンバーがみんな舞台袖や奈落で待機しているという、超贅沢企画。是非実現してくれ。つーか無理。

余談2:
・Σ-12は平沢氏の日記に登場したキャラを自分なりに再現した形。平沢氏自身も「どんな姿か詳細は判らない」と仰っていたので好きなように作ってみた。本来はもっと恐ろしい形相だと解釈しているが、結果としてはギャグキャラに逃げてしまった。
 スタッフ用掲示板にupした試作モデルを見た岩下さん曰く、どうみても悪意で作っていると思ったらしい。ノンラーを冠せ、ビビットなカラーリングを施した"ベトナムバージョン"も考案していたのだが、それを見た夕凪さんに、笑いが止まらないと突っ込まれ。

・件の海上油田の噴射口について、スタッフ関係者やお客さんの別を問わず、あの形状を「蓮の蕾」と解釈する意見が多く見られるようだけど、何故だろう?あれは普通に焔を象ってみたんだけどな......べつにいいですけど。